後継者育成の鍵となる人

公開日:2015/01/21

更新日:2019/04/13


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

事業承継の主役は、
これから事業を継ぐ「後継者」だ、
と考える方は少なくありません。

だから、後継者は、
会社を継ぐ覚悟をして、
取り組まなければならないと。

当然、後継者の育成についても、
主役は「後継者」だと考えられています。

経営、事業運営に関する事柄を、
学び、身に付けるのは「後継者」本人です。

後継者が熱心に学ぶという意味では、
確かに主役です。

でもですよ.

本当に後継者が主役なのでしょうか?

事業承継では、
「後継者」は準主役だ
と私は考えています。

事業承継において、主役と同時に、
監督・プロデューサーを演じている人がいます。

それは、現在の経営者の方。

この点については、
事業承継の重要な3つの課題と解決方法
の中でも説明しましたので、
詳しくはそちらを参照してください。

後継者の育成・研修に関しても、
同じことが言えます。

主役は「現経営者」です。

「えっ?
学ぶのは後継者でしょ!
育成については後継者が主役だよね」
と考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、後継者は「準主役」です。

なぜなら、、、

後継者が、
外部のセミナーや後継者向けの講座などで、
学んできたとします。

例えば、、、

安く売ることよりも、
価値を高めて販売するほうが、
良いお客様が買ってくださるし、
利益もよくなる。

そのやり方は、
こんな観点でやるのだ。

ということを、
育成の一環のセミナーで、
後継者が学んだとします。

学んだことを実践すると、
身につくことが早くなります。

そこで、自社に戻ってきて、
安売りをやめて、
販売できるように取り組み始めます。

社員にもその点を伝えて、
いろいろ取り組み始めます。

そこへ社長が登場して、
「今までどおり、安く売ればいいんだよ!
この案件は、安くしておけよ」
と社員に伝えます。

後継者に伝えるのではなく、
社員に指示しちゃうんですね。

当然、社員は、社長の指示に従います。

すると、、、

社員も、今まで通り、
安売りしたほうが楽チンだから、
理屈を付けて安売りしちゃいます。

安売りせずに、
価値を高めようとしてやろうとしていたことが、
骨抜きになります。

こんなことが頻繁に起こっています。

後継者が学びを実践するときに、
往々にしてあることは、
「今までのうちのやり方にそぐわない」
「今までやってきた通りにやればいいんだ」
と現経営者が言い出すことです。

その結果、後継者は、
学びを実践することができません

「後継者の学びと実経営は別もの、
今までどおりやれば良い」のならば、
外部の研修・講座の受講は、
そもそも後継者には不要。
受講させなければいいのですよ。

学んでも、
今までのやり方に固執するので、
なにも変わらない、変えられない。

今までのまま、
上手くできていなことは、
うまくできないままです。

後継者は学んでも、
それを活かせないと成ったら、
どうなるでしょうか?

真剣に学ぶでしょうか?
後継者育成は、うまくいくでしょうか?

答えは明白です。

そもそも、、、

  • 後継者をどのように育成するのか?
  • どのようになにを学ばせるのか?
  • どのように学びを身につけ、実践できるようにするのか?

これは、現在の経営者が決めることです。

実現できるように、
後継者の仕事の量や範囲を調整することも、
現経営者だからできることです。

現経営者のあなたは、
後継者が頭でっかちの、
経営知識ばかりの人に
なってほしいわけではありませんよね。

実際に知識を活かし、成果を出せる、
実践型の経営者に育って欲しいと、
考えているでしょう。

だとしたら、、、

後継者が、
誰からどのような内容を、
どうやって学ぶのか?

それを身につけるために、
どんなこと(例えば実践の方法)をするのか?

現在の経営者が知っている必要があります。

実現できるように、
サポートする必要があります。

後継者に学ばせ放しに
させておくわけにはいかないです。

後継者の育成の主役・キーパーソンは、
現在の経営者、現社長です。

後継者のことを考えながら、
現経営者、現社長が、
後継者の育成を主導する。

なにをどのように学び、
どのように身につけようとしているのか、
状況を把握し、実践できるように支援する。

だから、後継者を、
後継者として育成することができます。

後継者が主役だから、
後継者に任せている、
なんてことを言っていては、
後継者は育成できません。

後継者育成をどうやるのか。
最終的に決め、
実行できるようにするのは、
事業承継の主役である、
現経営者、現社長だということを、
じっくり考えてみてくださいね。

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