後継者と共有すること

公開日:2015/03/06

更新日:2019/04/14


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

事業承継をするには後継者が必要です。

中小企業の多くは、
社長のご子息や娘婿、親類縁者が、
後継者になります。

あるいは、役員や社員から、
後継者を選ぶ会社もあります。

ここで質問があります。

現在、社長、経営者のあなたが、
事業承継をするときに、
後継者に望むことは何でしょうか?

後継者に期待することは何でしょうか?

今まで、事業承継として、
士業の先生やコンサルの方が、
アドバイスしてきたことは、
事業承継とは次のことでした。

「現在の経営、会社という組織、
事業の内容、取引先や顧客を、
そのまま継いでやっていって欲しい」

そのためには、
社長となる後継者の経営権を、
確固としたものにしなければならない。

よって分散していた株式の集約や、
株の相続によって、
後継者に株式を集め、経営権を安定化することが、
重要になっていました。

またまた、質問です。

これ、本当でしょうか?

経営権を確固なものにすることが、
不要だと言っているのではありません。

経営権を確固なものとすれば、
今の経営、会社、事業、取引先、顧客を、
そのまま引き継ぐことができるのか?
ということです。

もう一歩戻ると、
あなたは、本当に、
今の経営、会社、事業、取引先、顧客を、
そのまま引き継ぐことを、
後継者に望んでいるのでしょうか?

今の経営、会社、事業、取引先、顧客を、
引き継いだとして、
後継者の代になって衰退してしまったら?
あなたはどう思うでしょうか?

今の経営、会社、事業、取引先、顧客を、
引き継いだあと、成長せずに、
徐々に衰退していくばかりだったら、
あなたはどんな気持ちでしょうか?

後継者から、
「やっぱり継がなきゃよかった」
「しかたなく継いだだけだよ」
なんて言われたら、
元社長のあなたはどんな気分でしょうか?

「俺が求めていた事業承継と違うぞ!」
と思いませんか?

「こんなことを期待して、
事業承継をしたわけじゃないのに」
と思いませんか?

そもそもの事業承継の意味合いがズレていた、
と私は考えています。

社長のあなたが後継者に引き継ぎたいのは、
今の経営、会社、事業、取引先、顧客では、
なかったのではないでしょうか?

今の経営、会社、事業、取引先、顧客を、
全く引継ぐことはないと、
言っているわけではありません。

本当に引き継ぎたいのは、
今の経営、会社、事業、取引先、顧客を素に、

将来に渡って継続し、発展する事業、会社、

だと思うのですがいかがでしょうか?

そこで、事業運営をしている後継者の姿を、
事業承継によって実現したいのではないでしょうか?

だとしたら、、、

後継者と事業の将来の姿を共有することが必要になる
と思いませんか?

事業の将来を実現するために、
経営、会社、事業、取引先、顧客をどのように引き継ぎ、
そのようにしていくのかを、
共有しておこうと思いませんか?

事業承継における重要な要素は
「経営承継」の部分です。

資産・負債の継承や株式のことは重要ですが、
事業承継するまでに決着がつくことです。

経営も事業運営も事業承継後も続きます。

事業承継の核は、
今の事業の将来の姿です。

将来の姿をどのようなものにして、
そこにたどり着くために何をするのか?

この点を、引継ぐことが、
事業承継、特に「経営承継」です。

「今の経営、事業を渡すから、
あとはよろしくやってくれ!」
というのが事業承継ではありません。

このような事業承継は、
経営権、社長職、代表権を、
移動しただけです。

会社という枠組みが引き継がれただけです。

事業を将来にわたって引き継ぐためには、
社長のあなた自身が、
今の事業、会社の将来の姿を描くことが必要です。

後継者も同様に、
事業、会社の将来を描きます。

双方をすりあわせ、調整し、
共通の将来像を導き出します。

これが、
事業の将来像を社長と後継者で共有する、
ことです。

共有したら、
社長は事業承継までに、
そこに近づけるように、
今から経営、事業に手を打ちましょう。

後継者は、引継ぎ、
自らが将来像に近づくために、
必要な能力を高めましょう。
実践して経験を積みましょう。

その過程で、
ある時期に事業承継を行うことになります。

事業承継で、
社長から後継者に引継ぐこと。

今までのように、
今の経営、会社、事業、取引先、顧客を引継ぐ、
という観点から脱出しましょう。

事業と経営の将来の姿を共有し、
その実現に向けて、
それぞれの役割の行動をすることが事業承継です。

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