相性の善し悪しで後継者を選べるでしょうか?

公開日:2015/04/06

更新日:2019/04/14


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

事業承継の後継者を選ぶ際、
どのような観点、視点を用いるのか?について、
ここ何回かお伝えしています。

「経営能力の高さ」、
「経営者としての素質の有無」で、
選ぶのは「ズレている」ことを
お伝えしました。
参照:後継者に望む経営能力とは何か?

「社長が掲げる理念、価値観の共有度合い」
という観点を挙げるコンサル氏は少なくありません。

しかし、、、

共有できているという、
思い込みになっているだけでした。
参照:事業承継のポイントは何か?

 

さらなる観点として、
「経営者と後継者の相性」を挙げる、
コンサルタント氏も少なくありません。

「相性」

これって何でしょうか?

さらに一歩進んで、
「相性が良い」ということから、
あなたはどんなことをイメージするでしょうか?

「相性」とは、
『互いの性格・調子などの合い方』と、
大辞泉では説明されています。

相性が良いとは、
「いろいろな面で、性格、調子などで、
衝突がおこらない、
気まずい雰囲気にならない関係」
ということになります。

相性が悪いよりは、
相性が良い方がいい、
と多くの人が考えるでしょうね。

その結果、何が起こるでしょうか?

通常の経営では、
社長の周りには、
「イエスマン」ばかり。

だれも社長に意見できない。

社長の行動を止められない。

取締役会は名ばかり。

という事が起きています。

事業承継での後継者への引継ぎでは、
逆に、親の社長と息子の後継者の間で、
相性が良くなく、口もろくに効かなかった、
なんてことも現実にはおこります。

あるいは、後継者に、
社長の言う事をききそうな人を据えたので、
いつまでも元社長だよりだった、とか。

相性が良い場合、
話し合い、議論をすると、
社長のあなたにとっては、
居心地が良いでしょう。
気分がいいでしょう。

しかし、本当に必要なことが、
議論できているのかどうか?
となると、どうでしょうか?

「イエスマン」で、
議論ができるでしょうか?

正直にいうと、
相性なんて二の次、三の次でいいと思います。

会社、事業の将来について、
建設的な議論ができるのならば、
相性が良くなくても構わない、と思います。

将来の姿がかなり一致したうえで、
相性の善し悪しが、
初めて観点になると考えています。

目指す将来の姿は、
かなりの部分で一致している。

そうなると、実際のところ、
相性が悪いことは、
それほどはないはずです。

たまたま、
今までこの点を議論する事が少なかった、
なんて原因のことが少なくありません。

そうはいっても、
後継者の話し方が嫌いで許せない、
のように避けられない、
埋められない事ならば、
そのとき初めて「相性」の善し悪しで選びます。

優先するのは、
双方が描く事業、会社の将来の姿を、
合わせる事ができるかどうか

合わさった時の次の観点が、
「相性」が良いかどうかです。

将来の姿が合わさっていないのに、
「相性」を優先すると、
ここが逆転してしまいます。

社長の意見に異を唱えない、
社長が気分良い関係が優先してしまい、
会社、事業の将来像は、
社長の意見をそのまま聞く、
ということになりかねません。

その結果、
後継者は身動きが取れなくなります。
上手くいかなくなります。

最初に、会社、事業の将来像を合わせる事。

次に「相性」です。

とはいえ、相性が良くなくて、
議論する度に喧嘩になる、
なんてことになると、
それはそれで、
議論自体がイヤになってしまいますね。

相性が良いとか悪いとかを、
社長のあなた(あるいは、相手)が感じるのは、
社長の意見に賛成してくれない、
あるいは、あなたが攻撃されるから
ではないでしょうか?

あなたの弱いところを、
相手が突くからではないでしょうか?

同じ様な事を、
相手も感じていると思いますよ。

相性の善し悪しを避けるには、
議論する観点を明らかにして、
具体的な中身を議論しましょう

相手の検討が甘くても、
それを糾弾するは止めましょう。

足りない部分を明らかにして、
どうやって実現するのかを明らかにしましょう。

将来の姿を明らかにする事に、
集中しましょう。

その過程で、
将来の姿を実現するために、
後継者として考え、行動できる人なのか、
という観点で考えます。

そこがブレなければ、
相性の善し悪しは、
ある程度は良くする事ができますから。

将来の姿が合わないと、
相性が良くても結局どこかで破局します。

私の場合がそうだったように。

将来の姿が、もっと鮮明になっていて、
双方の考えかが一致しているとわかっていれば、
もっと早くに成果にたどり着いたと思いますよ。

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