事業承継で最初にやっておくこと

公開日:2015/06/02

更新日:2019/04/14


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

経営者・社長のあなたが、
事業承継のことを考え始めたとしたら、
最初にやっておくことがあります。

後継者を誰にするとか、
相続や贈与でどのように節税するとか、
親族に分散した株式をどうするか、

そのようなことより先に、
やっておくことがあります。

今日はそのお話。

 

小学生の将来になりたい職業、
どんな順番かご存知ですか。

以前はプロ野球選手が、かなり高い順位でした。
スポーツ選手といえば、プロ野球選手でしたからね。

日本ファイナンシャル・プランナーズ協会が、
2014年 全国の小学校児童を対象に開催した、
第8回「小学生『夢をかなえる』作文全国コンクール」の、
応募作品を集計し、児童が「将来なりたい職業」を発表しました。

それによると、
男子の1位は「サッカー選手・監督」
2位が医師、3位に野球選手だったとか。

サッカー熱は以前ほどではないにしろ、
少年レベルではともて熱いようです。

以前のこのブログでも触れましたが、
入れ込んでいる親も少なくないようです。

最近は、ユース世代育成に関する内容の、
サッカー番組や特集番組が、
流れることも結構あります。

【参照】
後継者には褒め方がある
事業承継とはチームプレイとチームの存続のこと!

 

去る土曜日。
TV東京のサッカー番組「FOOT×Brain」。

高校サッカーの名門校。
前橋育英高校の山田監督が、
出演されていました。

テーマは高校生世代の育成の話でした。

山田監督の育成に関する提言の一つが、
「世界標準が足りない!」
でした。

「うむ?
世界標準が足りない?
意味不明やんか!」
と一瞬思ったんですね。

表現として適切かどうか、
という点はあるかもしれませんが、
山田監督の説明を聞いて、
「その通り!」と思いました。

高校サッカーは、
学校としては毎年、総体出場とか、
冬の選手権出場を目指し、地区大会を戦います。

全国出場が決まれば、
全国1位、
あるいは1勝でも多く勝つことを目指します。

地区、都道府県、日本のなかでの、
レベル争いになっているのです。

地区で勝つには?
地区の競合校に勝つには?

この発想が主になってしまいます。

それに対して、

『世界のレベルはここだ!
それに対して自分たちはこのレベルだ。

今から何をどうやって、
世界標準に近づくのか?

この考え方で練習をし、
育成をすることがこの年代に必要だ』

というのが山田監督の提言の骨子です。

本当に「そうだ!」と思いますよ。

地区や県の競合校に勝つこと。
全国大会に出ること。

確かに重要です。

しかし、選手としては、
そのあともあるわけです。

将来、職業としてのサッカー選手、
監督を目指す少年には、
高校を出たあとにも、
伸びていくことが必要です。

だからこそ、
世界標準を認識し、
それに対する自分達の今の状況を知り、
ギャップを埋めるための練習が、
少年の時から必要になります。

  • 世界標準という、到達するゴールがハッキリしていること。
  • それに対する自分の今の状況を、認識すること。
  • このギャップを埋めるために、どのような練習をするか考え、実践すること。

この3ステップが、
世界に通用するサッカー選手の育成に、
必要になるという提言です。

これ、事業承継、後継者に育成に、
ドンピシャ当てはまります。

どんな方法で節税して承継するのか?
なんてことより、
将来どのような事業、会社を目指すのか?
をハッキリ認識しましょう。

後継者は、
どのような考え、行動をとれるようになっているのか?
を明らかにしましょう。

 

将来の会社、事業の状況、後継者の姿。
これが「サッカーの世界標準」に当たります。

それに対して、今の状態はどうなっているのか?
ギャップはどのようなことなのか?

これを明らかにしましょう。

ギャップが明確になれば、
どうやってギャップを解消するのか?
それを考え、実行すれば良いのですね。

これを実行する際に、
事業承継の一部として、
相続や贈与、株式の扱いが、
出てくるだけのことです。

到達する事業、後継者の将来像、
今とのギャップを明らかにして、
ギャップを埋めるため必要なことを明らかにする。

これが、事業承継を考えた時に、
何よりも先、いの一番にやることです。

そうすれば、

  • 後継者が育ちます。
  • 事業、会社が育ちます。
  • 事業承継を容易にすることができます。

事業承継をしたあとも、
将来の姿を実現するために、
事業、会社が成長するだけでなく、
後継者も成長します。

「サッカーの世界標準」のような、
あなたの事業、会社が実現し到達する状態を、
最初に明らかにしましょう。

これが事業承継の最初です。
スタートラインに立つことです。

これなくして事業承継を始めると、
相続や贈与、節税の話、株の話に、
終始して、ただ継いだだけになりますよ。

「覚悟が必要だ」なんて、
役にも立たない精神論の、
後継者育成にハマってしまいますよ。

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