「現状分析」は業績に影響しない

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

『経営戦略』『経営計画』を検討・策定する際、
今まで同様に『現状分析』から始めると、
労多くして実りが少ないということを、
何回かに渡り、お伝えしてきました。

なぜ実りが少ないのでしょうか?

1点は、不満・不平が多く出て、社員の志気に影響がでるから。
参照:現状分析を最初にやってはいけない!

2点目は、社内の仕組み等への不満や改善は、直接業績に影響しないから。
参照:最初におこなう現状分析はやるだけ損!

 

2点目の「直接業績に結びつかない」について、
今回はもう少し掘り下げて考えてみましょう。

社員から、業績よくならない原因をヒアリングすると、

  •  社内の○○の仕組みが機能していない。
  •  営業と製造のコミュニケーションが悪い。
  •  社内の業務プロセスがうまく管理されていない。
  •  社内の業務プロセスに無駄がある。
  •  人員が足りない。
  •  ○○業務をおこなう要員が少ない。時間がない。

この様な内容が出されることでしょう。

これらを改善するように、
実施施策を考え出して、
やるように計画に盛り込むことになるでしょう。

これらの内容が、
経営のどの部分に関連しているかというと、

組織、社内業務プロセス、社内制度・社内ルール、

それに加えて、

コミュニケーションなどのケイパビリティーと言われる資質

に関係する領域に当てはまります。

資質の部分は別に触れることにしますね。
今回は、組織、社内業務プロセス、社内制度・社内ルールの部分です。

組織、社内業務プロセス、社内制度・社内ルールについて、
改善点や不満を社員から集めたら、
それはそれは凄い量になるでしょう。

それ程、問題・課題を抱えた領域です。

 

ちょっと考えてみましょう。

なぜ、組織構造、社内業務プロセス、社内制度・社内ルール
を決める必要があるのでしょうか?

  •   役割分担のため
  •   迅速・適切に行動するため
  •   平等に社員が扱われるため
  •   業務処理が混乱しないようにするため

そうですね。どれも正しいでしょう。

なぜ、役割分担をしたり、迅速・適切に行動したり、
ということが必要なのでしょうか?

それは、、、

経営・事業において、成果を獲得するためです。

組織も社内業務も、社内制度や社内ルール。
これらは全て、
経営・事業で成果を出すために作られます。

『経営・事業』が根本にあります。

もっとハッキリいうと、
経営は『事業』を行うための、
仕組み、枠組み、器ですから、
根本にあるものは『事業』そのものです。

『事業』の中身と、それによってもたらされるものが根本
になっています。

もうお判りだと思うのですが、

『経営戦略』『経営計画』において、
これからおこなう事業がもたらす状況・状態、
事業の詳細な内容や事業の仕組み・仕方が、
とても重要だということです。

事業がもたらす状況・状態、
事業の詳細な内容や事業の仕組み・仕方によって、
組織、社内業務プロセス、社内制度・社内ルールは、
全て変わっていくものです。

例えば、直販の場合と間接販売の場合では、
組織の役割、従って組織構造も違ったものになります。
業務のプロセス、社内ルールも異なります。

今の事業のやり方では、
問題があったり不満があることでも、
事業の仕組み・仕方が変わると、
問題にすらならないこともたくさんあります

事業の仕組み・仕方があまり変わらず、
組織、社内業務プロセス、
社内制度・社内ルールが変わらない場合でも、

収益に直接影響しない事項も、
社員から出てくる改善事項の中には、
たくさん含まれています。
これから取り組む事業により

  •   実現する状態
  •   事業の仕組みややり方
  •   事業において優先すべき点

これらを明らかにせずに、
『現状分析』と称してヒアリングをおこなうと、
優先度の低い問題・課題もたくさん出てきてしまいます。

社員からすると事業における優先度が高くない事項が、
大変な問題だと感じている、
重要と感じている場合も少なくありません。

社員からヒアリングをした以上、
その中身への対応をせざるおえなくなります。

もししなければ、
社員の意欲は下がりますし、
経営への信頼も薄れてしまいますから。

そこで社員感情へ対応する必要性から、
優先度が高いと言えない事項の改善に取り組むことになります。

しかし、改善したからといっても、
業績への影響はそれほどありません。

不満は解消しても、
それが当たり前の状況になるだけだからです。

以前の酷い状況から、
当たり前の状態になっただけで、
それ以上に仕事への意欲を増す事柄ではないからです。

だからこそ、
ますます、現状分析をする前に、
事業の将来像、意義、意味、事業の仕組み、やり方を、
先に考えておく必要があるのですね。

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