「組織改革」を行なってはいけない!

公開日:2015/11/10

更新日:2019/04/16


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

売上が伸びない。
業績がアップしない。

原因はどこにあるのか考えた結果、

「組織改革」が必要だ

と考えたことが、
経営者・社長、後継者のあなたには、
一度や二度はあると思います。

会社によっては、
半期ごとに組織構造を変えている、
という会社も少なくありません。

「名刺が溜まるばかりだ」とぼやく社員がたくさんいます。(笑

今回は「組織改革」、それに関係する「チェンジマネジメント」
の要否について考えてみましょう。

「組織改革」というと、

  • 人材育成(次世代経営者育成を含む)
  • コミュニケーション
  • 会議のやり方(ファシリテーションを含む)
  • 組織構造の改変

この辺りを指していることが多いです。

「チェンジマネジメント」というと、

(社内で起こる)変化を円滑に乗り越える方法論。

経営トップ自らが社員に新しい改革のあり方を示し、
1人ひとりの社員は
どのように意識や仕事のやり方を変えるべきかを
繰り返し伝えること

ということを指しています。

確かにとても重要なことです。
整備することは、
経営・事業運営にプラスに働くでしょう。

しかし・・・

組織改革やチェンジマネジメントは、
どういう理由でおこなうのでしょうか?
何を目的におこなうのでしょうか?

  •  社員と上手く意志疎通をしたいから?
  •  会議をうまく進めたいから?
  •  社員が変革を受け入れる様にするため?
  •  社員を育てるため?
  •  組織構造を変えるため?

イエイエ、違いますよね。

事業を上手く運営して利益を出すため。
その結果として、顧客に価値を提供しつづけるため。
その過程で、会社が成長するため。

だと思うのですが、
経営者・社長、後継者のあなはたどう考えますか?

 

*人材育成をおこなったら、この目的が実現できるのでしょうか?

人材育成を論じる前に、

  • どんな事業をどのように展開し、その過程でどんな機能が必要で、それを支え実現するためにどんな人材がどの位必要か?
  • 現状の人材と比して、必要な人材がどれ程充足しているのか?
  • 不足している人材は、事業の展開を考慮したとき、内部育成なのか、外部からの調達(採用、M&A)なのか?

この部分が明らかになり、内部育成が必要!となったときに、
初めて「人材育成」の議論になると思います。

ハッキリ言いますね。

多くの企業で人材育成があまり上手く行かない理由。

それは、上記のような、経営・事業の事を考慮せずに、
人材育成が必要だと考えて、
外部のセミナーや研修を受講させているだけだからです。

「事業でどのようなことを実現し、成果を得るのか」という視点が、
ぼんやりとしていて欠落しているために、
うまくいかずに悩んでいる例を、今までたくさん見てきましたから。

 

*コミュニケーションができれば、
 経営・事業で成果を出す目的が達成できるのでしょうか?

コミュニケーションスキルがあるに越した事はありません。

しかし、社員との意志疎通で大切なことは、
目的達成のために、

  • 何を伝えるのか?
  • 伝えきれなかった時、どのようにフォローするのか?
  • 社員から何を聞き取るのか?
  • 聞き取ったことに対し、どのように対応するのか?

という点だと思います。

「コミュニケーション」と
一括りで論じるような内容ではないと思いますよ。

ここでもやはり、
「事業で成果を得る!」という視点が必要になります。

 

*会議のやり方が良くなると、経営・事業での目的を達成できるのか?

効率は良くなるし、会議内容も良くなるでしょうから、
結果として目的達成に寄与するでしょうね。

しかし、これが必須なワケではありません。
目的達成の小さな一要素に過ぎませんし、
会社によっては、これを論じる必要がない場合もあります。

他の要素によって、
会議改善の数倍の効果を産みだすこともありますから。

 

*組織構造の変革は、事業の目的を達成できるのか?

半期毎に組織に手を入れる会社は結構多いです。
その結果、半期後に事業上、多大な成果が出たのでしょうか?

成果は出ていない場合が大半です。
そして、成果が出ないから、
また半年も経たずに組織構造をいじります。

本部制にしたり、部課制に戻したり、
執行役員制度を導入したり、止めてみたり、
チーム制を導入したり、
○○部を復活したり、部門の区切りを変えてみたり、、、

しかし、この様な企業の場合、
いくら組織をいじっても、事業の成果は出ません。

なぜなら、、、

発想が逆だからです。

事業を運営するための役割を、
組織という「箱」に与えているだけです。
組織構造に反映しているだけです。

組織をいじったら事業が上手く行くのではなく、
それ以前に、
どのような事業をどのように実現するのか、
その時にどのような機能が必要となり、
それをどのような役割でくくるのか、
ということがはっきりしていることです。

それに基づいて、組織構造を作るだけです。

営業部が必要なのではありません。
営業としてどのような機能を果たすためのまとまりをつくり、
それを営業部と呼ぶだけのことです。

多くの場合、逆だからおかしなことになっています。

今まで営業部があったから、
そのまま営業部は必要だ、という考えです。
その中の機能、仕事の中身をはっきりさせることは、
ほとんどありませんから。

経営者・社長、後継者であるあなたは賢いので、
もう気づかれたと思います。

組織改革やチェンジマネジメントでおこなうことは、
経営・事業で成果を得るための手段に過ぎません。

組織改革・チェンジマネジメントをお題目に活動をすると、
『労多くして実り少ない』結果を掴むことになりますね。

組織改革・チェンジマネジメントを論じる前に、

事業でどのように成果を獲得するのか。
事業を上手く運営するためにどうしていくのか。

これをよく考えて、整備することが先です。

これらをまとめて、
「経営戦略・事業戦略および事業戦術」と考えることができます。

そしてこの場合、
戦略・戦術部分の精度が実はとても大切です。

残念ながら、
多くの戦略・戦術は、検討が不足しています。
故に、実現しないし、成果が出ないのですね。

・・・経営戦略・事業戦略、事業戦術については、
また項を改めてお話ししましょう。

ということで、
「組織改革」「チェンジマネジメント」に、
いきなり取り組んではダメですよ。

その前に、、、
「経営戦略・事業戦略、事業戦術」をよく考えましょう。

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