経営戦略は必要だけれど必要ない!?

公開日:2015/11/30

更新日:2019/03/12


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

前回「経営戦略、経営計画とはなにか?」の中で、
経営戦略、(中期)経営計画の中身について触れました。

経営戦略、経営計画の中身が明らかになってきたことで、
次に『経営戦略』が必要かどうか?
この点について考えて見ましょう。

 

結論から言うと、絶対に必要です。
しかし、必要ではありません。

「えっ、何を言っているのかわかっていますか?」
と言われそうですね。

はい。何を言っているのかよくわかっています。

順に説明しますね。

経営戦略の必要性

Googleで『経営戦略』の必要性について調べてみると、
次の様な内容が出てきます。

「経営戦略の必要性」について議論する際に、
よく出てくるのが時代の移り変わりについての話です。

「戦略がなくても勝てた時代」から、
「戦略がなければ勝てない時代」に時代は変わっているのだと。

「勘と経験に基づいた経営」から「戦略的思考に基づいた経営」が求められる時代になっている。
AllAbout:専門家に聞く 経営戦略の必要性」より(現在該当ページは削除されています)

『経営戦略』の必要性を、この内容で説明しきれているのでしょうか。

経営戦略の中身

『経営戦略』には、

  • 経営の目的がある。
  • 経営の目標がある。
  • 経営の目的、目標を実現するために、「会社として」おこなう行動が何であるかが示されている。
  • 「会社として」おこなう行動の目的が明らかになっている。
  • 行動を起こすには、資源(ひと・もの・かね)が必要になるので、その経営資源を、どこにどのくらい配置・配分するか決められてる。
  • 行動には優先順位付けがなされるが、同時に(重要なことは)、実施しない(切り捨てる)行動が明確になっている。

を十分検討することが必要だと、

前話経営戦略、経営計画とはなにか?で示しました。

なぜ、経営の目的、経営目標、行動の目的、
資源配分、実施しない事項の充分な検討
がポイントであり、必須なのでしょうか?

経営戦略は何に使うのか?

  • 具体的施策がうまくいかない、成果がでない
  • 実施する施策が適切かどうかを判断しなければならない
  • 環境が変化し、どのように対処するか考えなければならない

このようなことで経営者が悩むことは多いでしょう。

『経営戦略』は、このようなときに、
判断・決断を下し、施策を考えるときの
「拠り所・判断基準」になります。

「拠り所・判断基準」がなければ、
適切な判断・決断、施策の検討ができず、
経営はその場その場の対応と
状況への反応を繰り返します。

これは、迷走につながり、
成果が出ない状態を増すことはあっても、
減少することにはつながりません。

そうして、毎年毎年、
同じ目標を掲げ、達成できない年月を繰り返し、
経営者は「ただ経営に疲れていく」ことになります。

経営目標の達成どころか、
経営目標に近づくことも「夢のまた夢」です。

経営者以外の経営戦略の使い手

『経営戦略』は経営者に必要なだけではありません。

『経営戦略』は、社員が業務をおこなう際の
判断基準にもなります。

・業務上、実施しようと考えたとき
・施策として考えついたとき
・施策の展開を考えるとき
考えついたことを実現することが、

  • 『経営戦略』を実現するために必要なのか?
  • 『経営戦略』を実現することにプラスに作用するのか?
  • 『経営戦略』の実現を妨げないのか?

『経営戦略』が適切に社員に伝わり、理解されていれば、
社員は業務をおこなう際に判断をすることができます。

「勘と経験」に基づいていても、
それが明確な判断基準になるならば、
それはそれで良いでしょう。

ただ、種々の要素が複雑に絡み合うことが多く、
それに沿って多くの社員が業務をおこなう必要があるので、
論理的かつ明快に組立てられた
『経営戦略』を判断基準として活用することが
必要になるのです。

経営戦略が不要となる場合

「それならば、『経営戦略』は必須じゃないか!」

そうです!『経営戦略』は必須です。

しかし、次のような『経営戦略』ならば、
逆に不要です。必要ありません。

  • 経営の目的がわからない
  • 経営目標がよくわからない
  • 行動の目的がよくわからない
  • 経営資源の配分がよくわからない
  • 実施しない事項が明らかになっていない

なぜなら、
経営戦略を作ったとしても、
この状況で出来上がった中身は、
「拠り所、判断基準」にならないからです。

この様な場合は、経営戦略は必要。
しかし、判断基準にならないならば、
その様な経営戦略は不要。
あるだけ混乱を招くことになります。

では、
「うちには『経営戦略』がある。
しかし、「拠り所・判断基準」になる
『経営戦略』とはいえない」
という風に考える、感じている
経営者・社長がいらっしゃるでしょう。

なぜ、この様な経営戦略になってしまっているのか。
その理由については次回以降にて。

次の記事:経営戦略、経営計画。今のままでは役に立たない!?

 

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