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事業承継における
「経営承継と後継者育成」実現士
降旗 利弥

某社。営業関連のミーティング。
取締役営業本部長、
その他の営業役職者、リーダーが出席。

取りかかり中の案件状況、受注確度、
見積提示内容が話し合われ、必要な決定が行われています。

取締役営業本部長:
「V社の案件の見積提示内容だけど、、、

金額¥○○だよね。
粗利は、、、えーっと¥△△で、粗利率は29%か、、、
35%は無いとダメでしょう。」

(粗利35%は、額面に対して某社で定めている利率。
この値以下だと、より上位者の決裁が必要になる仕組み。)

担当の役職者は、ちょっと面食らった顔をしてから、、、

担当役職者:
「粗利35%にすると、
提示額が¥○□になるので、
お客様の今までの発言から予算額を考えると、、、

受注がかなり難しくなります。

次の2次提案も可能なので、
まずは受注して、不足の粗利相当は、
2次の提案時に、
回収するつもりなのですが、、、」

取締役営業本部長:
「提示額の事はわかるけれど、粗利を確保しないと。
35%以上の粗利がないと、業績上よろしくないし。

2次の提案はわかるけれど、、、
このご時世だから確実ではないだろうし。

粗利35%以上にならないと、

ちょっと見積提示はできないな。」

担当役職者:
「35%に近づかないと、決裁は難しいですか。

提示額そのままで、
原価を見直して粗利率を上げますか。」

( 中 略 )

案件毎に、受注するための粗利額、粗利率の議論、
受注確度、受注時期の確認が続きました。

案件毎の議論を終えると、

取締役営業本部長:
「案件毎に議論した内容に沿って、
受注に向けた活動をおこなってください。」

これで営業関連ミーティングは閉幕しました。

良くある営業系の打ち合わせでしょう。

某社の今期の一番の数値目標は「売上¥○○○」です。

各営業には、この数字を分解して、
目標売上数字が配賦されています。

営業職は目標売上数字の達成が、
人事考課における大きな評価項目になっています。

一方、営業関連のミーティングでは、
営業案件の売上より利益が議論されています。

なにかおかしくないですか?
議論がずれていると思いませんか?

案件毎の議論ですから、
当然、売上額だけでなく、利益や原価の議論は必要です。

必要ですが、
「粗利」に固執することに違和感を感じます。

なぜなら、

  • 今期達成すべきは目標は「売上額¥○○○」
  • 売上額を営業個々に配分している
  • 営業個々の売上達成状況を対象に考課している

からです。

売上数字を目標にし、
売上数字の達成状況で人事考課をするなら、
売上が獲得できる段階で、多少粗利率がすくなくても、
すぐに案件として取りに行くことです。

にもかかわらず、取締役営業本部長が、
業績確保には粗利35%以上必要だと公言しています。

これを聴く社員は混乱するでしょう。

「会社の目標は売上獲得のはず。

しかし、営業案件では粗利の確保が求められる。

粗利を無視して良いとは思わないが、
35%に達さないと受注に向けた活動ができない。

その上、売上額の予実差で個人の評価がされる。

売上?粗利?どっちに重きを置いたらいいの?

どうしたらいいんだ?」

この混乱に対する明快な回答は、
営業の役職者も、取締役営業本部長も、
経営サイドにもないでしょう。

混乱する社員は、回答がないので、
やがて考えることを止めます。

淡々と現業をこなします。

売上が未達でも、別に何とも思いません。

「何かアクションを起こして不足分を挽回しよう」
などとはこれっぽちも思いません。

案件の粗利が足りない、と言われれば、
安易に原価を削減し、数字の辻褄を合わせます。

その結果、受注後にコストが膨らみ、
粗利はビックリするほど少なくなります。

そして、、、目標は未達。

経営者が未達を嘆き、怒り、
そして翌期に向け叱咤激励の文言を並べます。

しかし、社員はしらけます。

経営側が、つじつまが合わないことを言えば言うほど、

社員は混乱し、
社員はやる気を無くし、不満が溜まっていきます。

設定している目標に対して、
一貫した思考で、業務をおこなうようにしましょう。
それをもとに、適切な意見を述べ、アドバイスをしましょう。

 

本日も最後まで読んでくださり、
ありがとうございました。

 

ウィズスマイル
降旗_筆サイン

 

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