「経営理念」を唱和しても社員は理解していない?

公開日:2013/10/31

更新日:2019/04/07


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

5、6年ほど前でしょうか。
一時期、「理念経営」というような言葉が、
もてはやされた時期がありました。

その時は、ぱっと広がって、
それっきりになってしまいましたが、、、

あなたの会社にも「経営理念」があると思います。

ここであなたに質問です。

あなたの会社の社員は、
あなたの会社の「経営理念」を、
理解しているでしょうか?
わかっているでしょうか?

 

経営理念は必要ない?

「経営理念」とは何でしょうか?

「経営・事業をおこなううえでの基本となる価値観と目的意識」
のことだと言われています。

「われわれは何のためにこの会社に集まっているのか?」
ということを示したものだとも言われています。

ある調査によると、
約半数の企業に「経営理念」があるそうです。

考えようによっては、
約半数の企業しか持っていない、
ということです。

そこで、更なる疑問。

経営理念は必要なのでしょうか?

それとも、経営を行う上で、
必要がないものなのでしょうか?
経営理念が存在しないと、

  • 社員が何のためにこの会社で働くのか、その存在意義がわからなくなる。
  • この会社が今後どこに向かっていくのかわからくなり、働く上での将来性と夢を失う。
  • 何を判断の基準としていいのかがわからない。

このような状況に陥り、
会社の収益にも影響を及ぼす。

このように解説するコンサルタントがいます。

その通りだとおもいます。
あなたも異論はないと思います。

しかし、
私は「経営理念」と聞くと、
実は気分がとても悪くなります。(泣)

 

「経営理念」ってわからない!?

「経営理念」の例として、
頻繁に引き合いに出されるものがあります。

「全従業員の物心両面における幸福を追求すると同時に
人類、社会の進歩発展に貢献すること」

経営の神様といわれる方の会社(●●ラ)の理念です。

これを読んで、
あなたはどの様に感じるでしょうか?

私は、素朴な疑問を禁じえません。

「常日頃、仕事の上で、
社員自身が何をしたらよいのか、
この表現の経営理念で具体的にわかるのだろうか?

この疑問にあなたは答えられるでしょうか?

物心両面における幸福とは何?どんな状態でしょう?
それを日頃の仕事でどうやって実現するのでしょうか?

「幸福」とは人によって捉え方が違います。
この会社が考える「幸福」とはどんなことなのでしょうか?

それがわからなければ、
実現することはできません。

実現云々の前に、社員自身が実現しようと思うでしょうか?

経営理念に賛同して、
この会社で働こうと思うでしょうか?
進歩発展に貢献するとは?

「貢献する」とは、
この会社がどの様にすることを差しているのでしょう?

「進歩発展」とは、
何がどうなることだと捉えているのでしょうか?

このことがわからなければ、貢献を実践できません。
今、仕事の上で実践しようとしていることが、
経営理念に適合しているのかわかりません。

経営理念が、
抽象度合いの高い言葉の集合体なので、
具体的に日頃何をしたらよいのか、
社員にはわからないと思います。

 

抽象 → 具体 チョ~難しい!

抽象的な言葉から、
具体的な行動を引きだすことは、
容易なことではありません

実際には、とても難しいです。
同時に、成果につながりにくいです。

なぜなら、、、

抽象的な表現から導き出される、
具体的な姿が、
人によって異なってしまうからです。

抽象的な言葉から、
具体的な行動をイメージできないからです。

イメージできないことは実践できないからです。

しかし、経営理念は、
トップダウン、概念から作り出すために、
往々にして抽象的な言葉の塊になります。

具体的な中身に乏しくなます。
見栄えや格好のよい言葉が並びますが、
具体的な中身はちっともわかりません。

そして実践、結果、成果に結びつきにくい。
これが私が「気分が悪くなる」理由です。

もっと言うと・・・
「経営理念」を振りかざして錦の御旗にしても、
実際はどうなのだろうか?

正直に言います。

複数の大企業、
複数の中小企業で働いてきた経験から言うと、、、
社内では、日頃「経営理念」は、
ほとんど気にされていません。(笑)

立派な「経営理念」のある大企業でも、
日頃の業務ではまったく気にされていません。

たとえ、毎朝「経営理念」を唱和していても、
日ごろの仕事に「経営理念」が反映されることは、
ほとんどありません。

「経営理念」を毎朝、唱和しているからこそ、
自分たちは「経営理念」を実現しようとしている、
という錯覚に陥いっていると言えるでしょうね。

「経営理念」が気にされない理由は、
あまりに抽象性が高い言葉の集合体なので、

公序良俗に反していなければ、
通常の仕事では、
およそ「経営理念」からはずれることがないからです。

気にしなくても、
経営においては支障がないからです。(笑)

 

経営理念は「イメージできる!」こと

では、「経営理念」の様なものは、
会社に必要ないのでしょうか?
そんなことはありません。

基本の考え方ですから、
「経営理念」は必要です。

但し、、、

その捉え方も中身も範囲も、
巷の「経営理念」とは違った「モノ」が必要です。

具体的な事柄が背景にある、
日頃の仕事に結びつき、
実行に影響を及ぼすことができる中身
として作ることです。

実際に、日頃の仕事に結びつく「理念」を作り、
日頃の仕事につながるように用いると、

理念に沿った施策が実行されます。

社員の行動が変わりり、
指示待ちから自分で行動するようになります。

そして成果が短期間で出るようになります。

さらに、
あなたの事業が、お客様から感謝され、
支持されるように発展します。

ポイントは「具体的!詳しい!イメージできる!

ただ、それだけです。
その点を考慮しただけです。

「具体的!詳しい!イメージできる!」
ように、作り方と使い方を変えるだけです。

それだけで、
売上アップなどの結果が変わり、
指示待ち社員が自分で行動するように変わります。

 

経営理念のつくり方

【ステップ1】

あなたの会社の今の「経営理念」を、
じっくり眺めてみてください。

あるいは、あなたが考える、
「経営理念」を書き出して、
眺めてみてくださいね。

 

【ステップ2】

貢献とか満足度とか、
格好良い、良く聴く、
けれどなんかわかりにくい言葉が入っていませんか?

それをもっと具体的な中身にします。
イメージできるような内容に、
詳しく分解します。

例えば、

貢献するとはどういうことか?
何をすると貢献したことになるのか?
貢献すると、あなたの会社はどのようになるのか?

これを考えます。

詳しくイメージできる中身にします。

 

【ステップ3】

詳しくイメージできる中身にした項目を、
あなたが受け入れられる内容と、
受け入れたくないように、
選別してください。

例えば、
貢献とはどういうことか?
をいくつ書き出した時に、
取捨選択します。

 

【ステップ4】

経営理念としては、
選んだ項目を並べるだけでも、
意味があります。

社員に項目を一つ一つ話した時に、
社員もあなた同様、
イメージできるはずですから。

ただし、、、

それだと項目が、
とてつもなく多くなってしまかもしれません。

そこで、
選んだ項目から、
関係する内容の項目をまとめます。

 

【ステップ5】

整理した内容・項目を、
まとめて表現する言葉を探します。

それを用いて、
経営理念として、
短い文章として整理します。

 

【ステップ6】

最初に伝える時は、
取捨選択した項目、
すべてについて説明してください。

最初のうちは、すべてを言い続けます。

そのうえで、
整理した「経営理念」として、
ステップ5でまとめた文言を言います。

そこまでやって、
社員も「経営理念」の中身が、
やっとわかるようになってくるものです。

「経営理念」言い続けてくださいね。

「経営理念」と戦略、計画、施策の適合度合いを見る時は、
かならず、項目一つ一つにもどって、
適合度合いを見ます。

これは外さないでくださいね。

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