実行のスピードよりも、まず考える経営者になる

公開日:2016/06/24

更新日:2019/04/04


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

経営会議、営業会議の様な会議で、
問題点や改善項目が、
社員の報告から明らかになること、あると思います。

その時、経営者・社長のあなたは、
どのような対応をしているでしょうか?

社員から一目置かれ、
成果につながる対応があるのですが、
行えているでしょうか?

ある会社の創業社長で、40歳前後の方です。

役職者以上が出席する週一度の経営会議。

そこでの報告から、
業務の問題・課題が示されました。

若い社長はその様な時、

「すぐにどうするか考えましょう。

◯◯部長、すぐに考えて。
今日の夕方には結果を教えてよ。」

と指示します。

当の◯◯部長さん。
少し困惑しながら、

「あぁ、はぁ、はい。
今日の夕方までですか、、、

えっとですね、、、

はぁ。なんとか、、、(ゴニョゴニョ)」

と応えます。

その日の夕方までには、
他の仕事、予定をほっぽり出して
◯◯部長は解決策を考え社長に報告。
すぐに実行となります。

実行はするのですが、
思った様な成果は出ません。
実行した事実だけが残ります。

しばらくすると、
また同じ様な問題・課題が持ち上がり、
同じ様に「今日中に!」の号令がかかります。

策を考え実行するのですが、
解決されることもなく、
しばらくすると同じ様な問題が勃発です。

この様なことを繰り返しています。

この社長曰く。

「うちは問題・課題には、
すぐに考えてとりかかります。
スピードが重要ですから。

それもあって、
問題・課題はありますが、
解決していますよ」と。

現実は同じことの繰り返し。
問題・課題が解決している実感は、
社員にはほとんどありません。

スピードは重要ですよ。

しかし、解決につながらないことを、
どんなに早くやっても意味はありません

先延ばしされた予定・業務のフォローと、
急に対応することによる疲労があるだけです。

 

幕末から明治の偉人の多くに
影響を及ぼした江戸末期の儒学者
「佐藤一斎」の「言志後録」には、

凡そ大硬事に遇(あ)わば、
急心もて剖決するを消(もち)いざれ。
須(すべか)らく姑(しばら)く之を舎くべし。
(さらに続きますが省略します)

とあります。

多くの難題に出会った時には
急に解決しようとせずに、
しばらくの間、そのままにした方がよい。

という意味です。

急いでしまっては失敗する。
時間をとって考え、
心と手立ての準備をしてから
取り掛からないと足元から崩れる、

ことを示しています。

問題・課題に気づいた。
すぐに対応する。

一見素晴らしく見えますよね。
スピードがすごいなと思いますよね。

現実は、
思いつきで行動しているだけです。

発生した問題・課題の重要度、
影響度合いもよく確かめず、
発生したから対応する
といっているだけです。

「考えている」と言っていますが、
実際はほとんど考えていません。

「問題・課題だ」という刺激に対し、
脳で思考しているのではなく、
「何しろすぐに行動する」という条件反射と同じ様に、
反応をしただけです。

考えているようで、
経営者・社長として現実には何も考えていない
のです。

考えることに時間をかける、なんてことを
言っているわけではありません。

「発生したからすぐに行動!」

ではなく、
スピードを自慢する前に、

「発生した。

一度冷静になり、
経営の全体から考え、対応を導き出した

という、
思考する時間が必要なことを言っているだけです。

 

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