予実対比のマイナスをいつ挽回する?

公開日:2013/12/19

更新日:2019/04/08


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

目標、予実管理に関する、
次のような会議の場面に、
経営者のあなたは、社内で遭遇したことがありませんか?

 

よくある光景ですが、、、

某社にて。

役員と本部長以上が参加する、
月次の予算実績、予算達成状況、予実管理を検討する、
ミーティングでの光景。

前月の実績と今月、翌月の実績予測、
翌月の予算数字の確認が行われます。

管理本部長
「前月の売上予算は¥○○、実績は¥○△、差額は¥□。
今月は、売上予算¥◎○、今わかっている実績は¥◎△。
翌月は、売上予算・目標数字は、、、(中略)

前月の営業利益は実績¥△△、
予実との差は¥△□。
今月は、営業利益は、、、(中略)

営業状況の詳細は、営業本部長から説明してもらいます。」

営業本部長
「前月の売上差額は、
X案件の失注とY案件の契約ずれ込み。

今月は、Y案件が前月からのズレ込みで受注。
受注目標の案件は、Z案件、W案件で、
予算は達成する予定です。
翌月は、、、(以下省略)。」

受注確度や、受注の時期予測、
受注予定金額などについて質疑が続きます。

一通り終わったところで、社長から一言。

社長
「前月は、案件のずれ込みもあって、
売上も利益も予算に対してマイナスでした。

今月は、ずれ込み案件も受注したし、
獲得目標案件に注力して確実に取ってください。

そうすれば、
今月は予算通りにいけますから。

翌月の受注目標も視野に入れて、
営業活動をおこなってください。」

議長
「他に意見等ありますか?
ないようでしたら、次の議案ですが、、、」

 

大きくマイナスです!

某社の今期の一番の予算目標数字は、
「売上¥○○○」です。

目標が売上数字で良いかどうか、
に関する議論は、
今回と論点が異なるので却下です。(笑)

予算・実績に関するミーティング。

何かおかしくないですか?
何か議論が足りないと思いませんか?

今期の目標予算は、年間の売上○○億円です。

月次の予算・実績で確認するべき事は、
前月、今月、翌月の、
各月毎の予算と実績の対比だけで充分でしょうか?

それで、年間売上目標○○億円に、
辿り着くでしょうか?

第一四半期が予算未達。
それ以降の四半期は、
なんとか予算前後の数字を達成。

第一四半期のマイナス分がカバーできず、
通年では予算未達。

この様なことは良くある話です。
あなたの会社はどうでしょうか?

ちなみに、、、
某社は、毎年、毎年、
売上実績額が、
予算目標額に到達することはありません。

売上の予算・実績の差額は、
大きくマイナスになっています。

 

不足分はどするの?

例の予算実績のミーティングで
前月売上の予実対比をしました。

前月分の売上ズレ込みの案件が、
今月受注できたので「良かった」という論調です。

これは摩訶不思議なことです。

前月獲得するはずの案件が、
今月獲得にずれ込みました。

ということは、
前月獲得できるはずの分だけ、
マイナスが発生していたということです。

前月獲得予定が今月にずれ込み、
今月の予算を達成したとなると、
その金額分だけ今月の予算未達ということですね。

二重にマイナスが発生している事実に、
お気づきですよね。

「先月のマイナス分は、
いつキャッチアップするのか?

今月の予算に対する事実上のマイナス分は、
いつキャッチアップできるのか?

いつまでにどうやって、
二重の不足分をキャッチアップする目論見なのか?」

この点を、営業本部は考えて報告する必要があります。

この会議の参加者は、
その実現性について質問をして、
議論する必要があります。

前月の売上が、予算から不足したなら、

今月の売上目標 =
当初の売上予算額 + 前月迄の予算不足の売上額

となるはずですね。

しかし、、、

例の予算・実績のミーティング内容から言えること。

それは、前月どんなに予算に対して実績がマイナスであっても、
「マイナスだったことは忘れてしまっていいですよ。

今月は今月として、新たに、
今月の予算目標達成に向けてがんばりましょう!」
という考え方になっているということです。

 

予実対比のときに考えること

予算・実績のズレを考えない、
忘れても構わない、ということは、

目標の「売上○○億円」は、
達成しなくても、経営側は別に気にならない、
「お題目」だったということです。

「今期の目標」として社員には言ってはみたが、
実態は別に気にしなくてもいい
ということになってしまいます。

経営側がこのような気持ち、
対応で予算、目標を扱うなら、
社員は会社が掲げる今期の目標など、
「全く気にしない」です。

社員は目標を気にせず、
淡々と業務をこなします。

目標達成は遠のきます。

重要なことは、
目標未達分をどのように挽回するのかを考え、
実行することです。

考え実行できる機会を設けることです。

今回の話でいえば、
それがミーティングの場だったのですね。

 

根本の原因を捜す!

同時に、予算が達成できない状況をもたらす、
その原因を捜すことです。

表面的な原因ではなく、
もっと根源、根本的な原因を捜します

売上が予算に未達なのは、
今月獲得予定がずれ込んだから。

これは原因とは言えませんね。

なぜ、獲得がずれ込んだのか?

見込みが甘かった。
商談の進め方が遅れた。

これも原因とは言えません。

なぜ見込みが甘くなるのでしょうか?

商談の進め方が遅れることが、
なぜわかるのでしょうか?
わかった時に、なぜ手を打てなかったのでしょうか?

このように掘り下げていくと、
根源的な原因に到達します。

原因が明らかになったところで、
どのように対応するのか検討します。

このようにして、
日ごろの活動の精度を高めます。

予実との差を早く見つけて、
手を打てるようにします。

それでも予実の差が発生するので、
それをどのように埋めるかを考え、
実行するわけです。

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