「やる気を出す!」は後ろ向き

公開日:2014/01/16

更新日:2019/04/08


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

先日、本棚を整理していたら、
昔のあるビジネス雑誌がでてきました。

なぜこの雑誌をとっておいたのでしょうか?

不思議に思って、
パラパラと中身を見てみました。

「なぜ、あなはた変われないか!」との特集で、
「仕事のやらされ感」克服、
「意欲ダウン克服の自画自賛法」などの記事が、
まとめられていました。

「個々人が、しっかりやる気・
モチベーションを仕事に持とうね」
と言うことなのでしょう。

個々の社員が、
「やる気を出す」、
「モチベーションアップする。」

このことはとても重要ですね。

このプログでも、
私が何度も取り上げてきたことですから。

しかし、経営側が、
「仕事へのやる気を出すこと、
モチベーションアップは、
社員、個々が自ら引きだすと考えること。

その結果、意欲をもって、
社員が自分で仕事に取り組んでくれれば良いんだよ」
となっては、”まずい”と私は考えていますよ。

 

後ろ向きの「やる気を出す」???

社員個々人が、やる気を出そう!
モチベーションアップしよう!

これはどのような状況を産みだすでしょうか?

・・・

・・・

「嫌な仕事を、なんとか前向きな気持ちでやる」
という状況を生み出すことになります。

「やる気を出す」という意味合いで、
とても前向きに見えますよね。

実際は、嫌な仕事について、
自分の気持ちのつじつまを合わせ、
取り組むという、
とても後ろ向きだと思いませんか?

大嫌いな数学で、良い点を採ろうと、
イヤイヤ気持ちを前向きにして、
勉強に取り組むようなモノです。

このような気持ちが続くのでしょうか?

気持ちを持ち続けることは、
容易ではありません。

この気持ちがズーッと続くとは私は思えません。

ほんの一握りの人が、
早い段階で中身を理解して面白さに気づき、
模試で良い点を採るような結果を手に入れ、
さらに一所懸命になるだけです。

大半は、挫折します。
私はかつて、物理で挫折しました。(笑)

挫折をすると、
数学はそこそこの点を採ればよい、
他の好きな教科でもっと良い点を採ればいいんだ、
と考えるようになります。

学生の場合は、数学ではなく、
他の好きな教科に意欲を持って勉強しよう!
で済むから良いのですが、
仕事の場合はそうはいきません。

この仕事、嫌だからそこそこにしておいて、
他の仕事で結果を出すぞ、
などと都合良くいかないですよね。

では、どうなるでしょうか???

イヤイヤやって、
そこそこにして、
叱られないように、
やり過ごすようになります

この状況で売上アップするでしょうか?

残念。
夢のまた夢ですよね。

 

折れてしまいます

社員が自ら努力をして、
仕事へのやる気を出すとしましょう。

その後は、スンナリ、
継続してやる気を出すことが続くでしょうか?

残念。
次の壁が待ちかまえています。

組織や職場が、皆、
「やる気」を出しているわけではありません。

「やる気を出した」社員が、
職場で活発に動き始めると、

  •  不平・不満を言う
  •  妨害・邪魔をする
  •  協力しない

というそのほかの社員の「妨害工作」が発生します。

「やる気を出す」人が動き回ることは、
組織、仕事内容、仕事の仕組みに変化をもたらします。

「やる気」が出ていない人にとって、
この変化は面倒だし、不安な事だから、
「回避したい!」という意思が働くからですね。

上司が力を貸してくれるとも限りません。

下手をすると、
上司が「やる気が出ない」側の人で、
「やる気」のある社員の活動を、
妨害するかもしれませんし、
その人を無視するかも知れません。

自ら「やる気」を出した社員は、
職場で孤立無援。

活動しても、変化が生まれない。
非協力に妨害工作。

「やる気」を持ち続け、
活動することは辛くなるばかり。

心が折れてしまいます。

そして、「やる気」に自ら封印をします。

二度とこの封印を破ることはありません。

個々人で「やる気」を出した人が、
社内に複数いたとしましょう。

それぞれが引きだしている「やる気」は、
その社員自身の都合です。

海外との仕事を将来願う人は、
「今の仕事を通じて、語学力を伸ばそう」と考え、
それが仕事への意欲・やる気に転化しているだけです。

将来プロジェクトマネジャーを目指す別の人は、
「今の仕事を通じて、プロジェクト運営を身に付けよう!」と考え、
それが仕事への意欲・やる気に転化しているだけです。

この人達がチームを組み、
仕事をしたとしても、
それぞれが目指している世界、
向いている方角はバラバラです。

それぞれ個人の目標を達成するために、
自分のメリットを追い求め、
自分に都合の良い動きをするだけです。

この状況が、
あなたの会社の売上アップに、
プラスに働くとは考えにくいですよね。

 

好き勝手です

個々人で、勝手に活動して成果が出るなら、
個々人が自分で、
仕事への「やる気」を引きだせば良いでしょう。

しかし、企業における仕事は、
個人個人でおこなっているわけでは、
ありません。

複数の人と何かしらつながりがあり、
チームとして活動し、
成果を出そうとしています。

チームで活動し、
社員間で関係性を持って、
仕事を行っているのです。

チームメンバーが、
仕事への「やる気を出す」必要がありますね。

チームとして同じ方向に向かい、
そのことに「やる気を出す」ことが、
必要だと思いませんか?

チームメンバー個々の、
バラバラの思いがあると、
チームとして仕事への「やる気」が、
まとめあげられることは容易ではないですね。

その仕事に対して、
関係する社員が同様に持つ「やる気。」

これを作り出し、
メンバーの社員が同じ意識を持ったら、
メンバーの「やる気」が、
まとまりますよね。

このチームとして「やる気」を引き出すことを、
社員個々に任せてはいけません。

「やる気」を導きだす「場」を、
経営者、会社が用意しますよ。

その「場」によって、
社員が共通の目的・目標に向かい、、
仕事に対して「やる気」を持つ、
という状況を作り出すことができます。

では、どうやるのでしょうか?

仕事への「やる気」を引きだすために、
はじめに「事業」という枠組みを用います。

個々人の「やる気」を揃えるために、
事業の提供「価値」を明らかにします。

「価値」を提供するために、
何を目指し、どのようなことをおこなうのか?
これを「戦略・計画」として策定します。

戦略・計画の検討を詳細に行い、
実行計画につなげ実行します。

実行結果を明らかにし、
評価を行い、修正を加えていきます。

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